新・駅長日誌Ⅱ

観光列車、駅ノート、鉄道保存施設、
廃線跡と猫ヨシヨシ。…稀に木村。
毎日更新します。

碓氷峠鉄道文化むら ③

2021/04/30(Fri)

さて碓氷峠鉄道文化むらですが、前回は碓氷峠鉄道の歴史から
EF63型電気機関車まで無駄に詳しく書きすぎてしまったような気が
しておりますクラ駅長です。

書いてる途中で「裏付け」とするための調べ物にも時間を食いましたし。

…今回は少し気楽に書ける内容なので、軽く力を抜きつつ記事を書く
事にしましょう。蒸気機関車の時代には勾配が連続する区間でも時々
踊り場のような平地を作って、罐焚き少し休んだようですから。

碓氷峠で例えると熊ノ平信号場みたいなもんですね。…上手い?

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鉄道展示館元の検修設備そのまま利用した物なので、お約束
ヘッドマークパンタグラフなどの部品類も幾つかありました。

…何で横川「出雲」「ゆうづる」があるのかはですが、色々と
資料を見るに展示機関車の物を時々付け替えてるようです。

工具なんか「今でも現役で使ってます!」と言う感じで並んでますが、
盗まれたりしないものなのかしら?

そして奥の部屋に、私が大好きソラリー式の発車案内がありました。
ドコの駅の物か不明ですが「佐渡」「信州」辺りが入ってるから高崎?
残念ながら動かす手段(操作台とか)は見当たりませんでしたが。

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アプト式電気機関車として戦前から使用されたED42型。どうやら
コレは動態保存機のようで、恐らく背後に見える黄色いモーターカー
外へ出してから実演すると思われます。

線路の下検修ピットのような掘割になってるので低い位置からも
見学する事が可能で、ラックレールに噛み合う歯車が見えました。


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では続いて、屋内の展示施設である鉄道資料館に行ってみましょう。

…この建物はどぅ見ても運転所の事務所棟ですよね。Nゲージの
ストラクチャーにもありそうな形をしています。

事実、廊下に右のような機械(の操作盤)が残ってました。「定刻起床
装置」列車の乗務員さん寝泊まりする施設は必須の物でしょう。

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建物を入った所に「電車でGo!」アーケード版が並んでました。
…もしかして4つとも別の種類で、手前から登場順に並んでる?
保存車両だけでなくこのような物まで集めるとは芸が細かい所です。

そしてまた萌えキャラちゃんが。調べてみると「路娘(ろこ)MOTION」
と言う鉄道擬人化キャラの一種のようです。
服の合わせ歯車っぽくてスカートの裾めがね橋なのか?

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2階にはパネル展示小物の資料などがあり、碓氷峠の鉄道の歴史
について学ぶ事が出来ます。

当初からアプト式の鉄道として開業した同区間ですが、当然に最初は
蒸気機関車からスタートしました。

…しかしトンネルが連続する区間なので煙による被害想像以上に
キツい物があり、比較的早い段階(1912年)に電化されています。

コレは何度か書いてる話ですが、中学校の技術の授業(テスト)
「平歯車の使用例」として書く設問に「アプト式の鉄道」と答えたら
×にされたのを今でも覚えています。

先生が知らなかったんでしょうか?てか他に何があるよ?
続いては屋内の鉄道保存施設定番であるアレを見に行きますよ。

→次回に続く



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No.761 鉄道保存施設を探る

碓氷峠鉄道文化むら ②

2021/04/29(Thu)

そんな感じで意外と初体験碓氷峠鉄道文化むらですが、カナリ
広い敷地に多くの展示車両各種資料が置かれています。

春休み中の日曜日にしては空いてるので、ゆっくり見て行こう
思いますクラ駅長です。久し振りの大型鉄道保存施設ですからね。
ブログ記事数を稼げるチャンスでもありますよ。

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まず簡素だけどコレが基本。と言う感じのアプト式鉄道の線路です。
碓氷峠と同じ66.7‰が再現してあるようですね。

鉄道では一般的に33‰以上急勾配と言われ、それ以上の勾配は
ルートを迂回させたりして意図的に作らないようにしてると思われる
んですが、その倍ですからね。

子供の頃に読んだ本の解説によると、大体の感覚として「20m級
の車両だと前後で1mほどの高低差になる」のだそうです。

黎明期の技術ではソレを安全に上り下りする機関車を作る事が困難
だったものの、試行錯誤の上に敢えて急勾配のルートにアプト式の
鉄道を敷設する事になったそうな。

ユルい勾配迂回するルートだと、建設費も完成後に走る列車の
所要時間無駄に掛かってしまうと考えられたらしいです。

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それが「刻苦70年」続いて、同じルートアプトなしで走れるEF63型
電気機関車が開発されました。

同機関車1963年から34年間活躍した後、現在は長野新幹線
開通で在来線の碓氷峠廃止EF63全車が廃車となりました。
…やはり特殊な環境なので経費的にも厳しい物があったようです。

左上特急電車EF63型との協調運転が出来るように作られた
189系先頭車クハ189型ですね。…通常なら車内にも入れる
でしょうが、謎のウイルスの影響で閉鎖されておりました。

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そして先程から見えている車庫みたいな建物鉄道展示館です。

…コレはどぅ見ても機関区時代の検修設備そのまま再利用した
物でしょう。現役時代のままの雰囲気で何両かの電気機関車
入っておりました。

運転台シミュレーターに改造され、体験出来る物もあるようです。

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EF63型に関しては軽井沢駅にも1両保存されていますが、コレだけ
揃うと圧巻ですね(手前のはEF62型ですが)。

…そして昭和61年の物だと言う、横川駅の発車時刻表がありました。
国鉄時代の事ですから、夜行列車も通る24時間営業です。

更には貨物列車も走ってた筈で、その全てEF63型が付いて峠の
上り下りサポートしてたワケでしょ。さぞ活気があった事でしょう。
つくづく現役時代の様子を見てみたかったもんだ。

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間近で見るのは初めてかも知れない、軽井沢方双頭連結器
どんな車両にも対応出来る大量のジャンパ栓。…静態保存車とは
思えない輝きです

謎のウイルスによる感染症対策で内部が見学出来ない車両が多い
中、この車両だけは運転席に入れました

碓氷峠鉄道文化むらではEF63型動態保存機による体験運転
も可能ですが、ハードルが高いので今回はコレで我慢しましょう。

→次回に続く



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No.760 鉄道保存施設を探る

碓氷峠鉄道文化むら ①

2021/04/28(Wed)

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そんな感じで京都から北陸回り群馬県
高崎を経て、信越本線横川に到着
しておりますクラ駅長です。

同じ列車に乗っていた撮り鉄どもは、途中
殆どが降りてしまいました。…車窓から
見てると確かに沿線には大量のカメラと
三脚脚立が湧いてます。

コレだけの大人数が居る&近年はネット
の普及で他人が撮った画像幾らでも
見れる状況で、更に人と同じ構図で撮ろう
とする意味が私には分かりませんが。

当然の事ににも多くの人出がありました。折角なので私も簡単に
のみ撮っておきましょう。てかヒネリようありませんわ。

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同列車は午前中に「SLぐんまよこかわ号」として高崎を出発し、午後
「ELぐんまよこかわ号」として帰ります。…最近はこのパータン
増えましたね。横川転車台がナイからこんな方法になるんでしょう。

だから高崎方電気機関車EF64型が連結されており、発車待ち
の状況です。客車JR東日本高崎支社が残してる旧型客車
初めて見たかも知れませんが、出場直後みたいにキレイでした。

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そして横川方に居るのが動態保存機関車D51498号です。
こちらもキレイに磨かれてますが(もぅ少し汚い方がリアル)、1988年
車籍が復活して以来、各地のイベント大人気の機関車ですね。

…ゆっくり走って片道で約1時間か。乗るとなると短かいでしょう。
詳しく知りませんが切符即日完売なイメージです。
やはり私は指定券気軽に買える大井川鉄道とかの方がイイや。

…思いがけず珍しい物を撮る事が出来ましたが、今回の主目的
ココの「碓氷峠鉄道文化むら」ですので、SL程々にしておきます。

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周知の通り同施設は、1997年廃止された信越本線横川運転区
跡地にソノ2年後に作られた鉄道保存施設です。

関西から遠いのと、木村鉄道絡みイベント列車「なごみ」抽選に
落ちたりした事で実は初めて来たんですよ。

当日は春休み中の日曜日と言う混みそうな条件でしたが、午後2時
だと東京から来た観光客はそろそろ帰る時間でしょ。元々の天気予報
でしたが、何とか持ちそうですね。

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カナリ広い敷地です。展示車両入れ替えなどを想定してあるのか
横川駅からバスロータリー突っ切って線路が繋がってますね。

記念碑にある「刻苦七十年」と言うのは、横川~軽井沢急勾配区間
アプト式鉄道で開業した1893年から、EF63型電気機関車を用いた
粘着式に切り替えられた1963年までの70年間の事だそうな。

同区間に関して私はアプト式は勿論の事、EF63時代乗車経験
実はナイのですよ。いい機会なので改めてココで、碓氷峠の鉄道
の歴史を学ぶ事にしましょう。

と言う事で、館内の施設や保存車両を順に見て行く事にします。

→次回に続く



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No.759 鉄道保存施設を探る