新・駅長日誌Ⅱ

観光列車、駅ノート、鉄道保存施設、
廃線跡と猫ヨシヨシ。…稀に木村。
毎日更新します。

国鉄呼子線を探る ①

2021/03/16(Tue)

そんな感じで九州ですが、フェリーで着いた新門司港から途中で雪に
見舞われつつも、何とか西唐津駅まで到着しておりますクラ駅長です。

加唐島行きの船はココから更に約20km先呼子と言う港から出るん
ですが、色々と調べてみると西唐津~呼子にソノ名も「呼子線」と言う
国鉄の未生成線があるらしいのです。

…コレも何かの縁かと思いましたので、折角だから呼子線遺構
探しながら現地まで行く事にしました。

20210316a.JPG未生成線と言えば私の地元(奈良県)では
五新線の一部がバス専用道路として存在
したのを知ってるんですが、正直に言えば
呼子線に関しては今回の計画を立てるまで
全く知らなかったのです。

…だから全てを網羅するのも大変なので、
目に見える範囲だけで許して下さい。

Wikipediaによると呼子線昭和36年頃から
地元の要望で計画が始まり、昭和43年には
主な構造物が完成したものの、昭和55年
国鉄の赤字工事が凍結されたようです。
未開業区間の営業キロは15.7kmだそうな。

上の地図はトンネルなどを省いた地上区間のみの物ですが、当時
各地で建設が盛んだった鉄建公団の典型的な無駄遣い物件でしょう。

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当然の事に西唐津駅からスタート
するんですが、駅の間近にも放置
された土地が残ってました。

同線すぐに開業しなかった理由
の1つに、市街地での用地買収
遅れと言うのがあったんですが、
そう考えると西唐津駅の近くでは
未取得未生成線にもなってナイ
部分も存在するのかも知れません。

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ココから市街地の西側を流れる佐志川を渡って、海岸に沿う感じで
へ向かいます。この部分の土地は取得済みのようですが、橋梁の
工事まだたったようですね。

…てか海へ出れば寒いのマシになると思ったんですが、相変わらず
断続的に降ってるし、山手の方から来た宅配便のトラック
タイヤチェーンを付けて走ってました。…今日はどんな天気やねん?

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海岸から少し内陸部に入った山沿いに未生成線が続きます。道路と
平行して築堤の工事は完了してたようで、随所に国鉄土地境界
示す「工」マークの杭が見られました。

そしてココから先は一部の区間道路への転用が決まったようです。
線路用地に沿ってバリケードの壁が造られ、新しい工事現場になって
ました。…この感じではつい最近になって工事が始まった感じですね。

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既に掘られているトンネルや建設済みの高架橋道路として再利用
されるようですが、恐らくは単線として計画されてた物だろうから、
バイパス道路に変えるには幅が足りないでしょう。

そうでなくても建設から50年近く放置してあれば、橋桁など造り
直さないと危険だと思われます。

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私は他所者なので、この辺にバイパスを作ってドレぐらいの需要
あるのか、また具体的な開通時期知りませんが場所によっては
ほぼ完成してるような所もありました。

バイパス道路使えなかった部分は、昨今の流行りかも知れない
ソーラーパネル置き場に転用されてる所もあります。

ソレほど馴染みのナイ所いきなり調べる事になったのでホントに
上っ面ではありますが、呼子線の旅は更に続きます。

→次回に続く



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No.716 鉄道廃線跡を探る

屋島ケーブルを探る ③

2021/03/06(Sat)

そんな感じで屋島ケーブル跡地ですが、観光道路を通って屋島の
山頂?へやって来ましたクラ駅長です。

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駐車場にも山頂付近観光案内図があったんですが、ケーブルカー
廃止前に作られた物なのでしょう。駅や線路が描き込んであり、
「屋島ケーブル駅跡」と文字だけが書き直されていました。

…後で分かるんですが山上駅跡建物などは残ってるものの、
保存施設として公開されてるワケでもありません一般的な観光客
興味を持つような物でもナイし、歩くと遠いんです。

あっさり消しておく方が親切じゃないのかな?
それと看板には矢鱈とタヌキが出てきますね。屋島寺には太三郎狸
と言う有名な狸が祀られており、そこからの発想だと思われます。

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屋島寺四国八十八霊場八十四番目の札所のお寺ですが、今回
ケーブルカー跡地がメインなので「境内を通ったら近道である」
と言う程度にスルーしておきます。

定年したら全体的な札所巡りでもやりましょうか。勿論「全て歩こう」
などと言う高尚な意図ありません観光タクシーの延長と言うかね。

現役の駅じゃないので地図アプリには載っておらず、何度か間違えて
別の場所へ出たりしながら探しております。

…折角だから山の西側へ出た時に撮った展望写真の画像です。
高松築港とランドマークのサンポートタワーなどが良く見えました。

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改めて地図アプリ航空写真に切り替えて見てみますとソレらしい
建物は写ってるものの、そこへ至る道が木に隠れて分かりにくい
ですよ、しかも駅跡を差し置いて公衆トイレが載ってる始末。

ともあれ寺の南門から20分ほど歩いてようやく発見しました。
昭和4年の開業と言う事で、レトロモダンな雰囲気の駅舎です。

先日行った六甲ケーブルの山上駅に似た雰囲気でもありますね。
当時としては最新鋭の乗り物だろうから、カネを掛けた結果でしょう。

ケーブルカーの山上駅と言うのは1階ケーブルを巻き上げる機械
を設置するワケだから、2階にソレを操作する運転室営業エリア
設ける場合が多く、やはり似たような印象になるのかも知れません。

この時代の建物廃墟になってると、どうしても心霊スポット的な
イメージを持ってしまうのですが、そんな話は聞いた事がありません

20210306g.JPG 20210306h.JPG

から見た所、車両ナイようでした。…先程の登山口駅2両とも
降ろしてあるから、当たり前と言えば当たり前ですが。

ケーブルカー廃止されてアクセスが完全に観光道路の方に移って
しまうと、こちら側の駅前にあった飲食店土産物店寂れてしまう
のも当然かも知れません。

…しかしが駐まってるし(ドコかに関係者用の入口があるらしい、
ココまでの道自動車の通行は物理的には可能話し声が聞こえた
ので、営業してなナイだけで使用者(又は住人)は居るのでしょう。

が居れば猫も居るわ。飼い猫らしい黒さんが居ました。…そして
藪の中で物音がしたので、更なる猫が居るのかと思って近付いたら、
「ブヒッ!」と声がして大きなイノシシ2匹ほど逃げて行きました。

20210306i.JPG 20210306j.JPG

以下おまけ屋島古代には中国大陸からの侵略に備えるための
が築かれた場所の1つだったようで、その遺構復元されていました。
ココからの眺め良かったので載せておきましょう。

…こんな山奥砦を造るのはカナリ過酷な労働だっただろうし、
作ったら作ったで警備員を置かないといけません。「大陸の脅威」
違う意味で大嫌いな私は、古代人の苦労痛く共感してしまいました。

そんな感じで久し振り絵を描かない旅をしましたが、何と楽記事
の回数が稼げてた事か。と再認識しましたよ。
翌日からまた駅ノートの旅に戻るんですけどね。

→次回に続く



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No.706 鉄道廃線跡を探る

屋島ケーブルを探る ②

2021/03/05(Fri)

さて屋島ケーブル跡地ですが、引き続き麓側屋島登山口駅
保存車を探っておりますクラ駅長です。

…てかコレはホントに「保存しよう」という意図で置いてあるのか?
撤去するにもカネが掛かるから放置されてるだけの気もしますが。

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2両あるうちの下側の車両扉が開いたままなので、車内に入る
事が出来ます。ケーブルカーと言うのは山上側の駅にある滑車を
回して動くから、通常の電車のような運転機器ありません

ソレにしてもエラく線路終端ギリギリまで降ろしてあるものですね。
…ぁ、ワイヤー外してあるから必然的にそうなるのか。

恐らくはショックアブソーバーになっている部分がホントに密着してる
状況って、なかなか見れるもんじゃナイですよ。

20210305c.JPG 20210305d.JPG

車両の前後にある、大きなブレーキハンドルが置かれてました。

自動車サイドブレーキに相当する物で、停車したら乗務員さん
絞めて固定する物ですね。

2両の連結面と言うのか、外からは板で塞がれてて見えなかった
部分ですが、妻面の窓を開けたら元の塗装が残ってました。

コレまたWikipedia正解(現役時の画像)がありますが塗装白地
に赤のツートンカラーで、現状で下側になってる1号車「義経号」
上側2号車「弁慶号」と言う名前だったようです。

…まぁ屋島だから源平合戦に因むとそうなるか。戦時中休止から
復旧した昭和25年から廃止時まで更新なしで使われてたようです。

20210305e.JPG 20210305f.JPG

敷地の脇には配電室らしき設備も残ってました。

Wikipediaによると運行休止になる直前の最終日約800人観光客
(とは書いてあるが葬式鉄だろう)が押し掛けたんですが、始発前の
試運転の時に電気系統のトラブルが起きて動かなくなったそうな。

…結局はそのまま終日事故運休です。もしかしたらシステム辱めを
嫌って自殺したのかも知れないし、ケーブル側人為的な物だったら
笑いますね葬式鉄は私も嫌いです。

20210305g.JPG 20210305h.JPG


しかしまぁ、保存してるワケでもナイのに車体の塗装だけ変えて維持
されてると言う不思議な駅跡でした。続いて山上駅へ向かいます。

駅の北からすぐ登り坂になり、意外と険しい感じの山が見えています。
「屋島」と言うだけに江戸時代までは陸から離れた島だったそうですが、
干拓によって埋め立てられて陸続きになったそうな。

…しかしこんな急斜面な干拓地があるもんでしょうか?

途中に「四国文化村」と言う、古い建物を集めた観光施設があります。
そして屋島と言えば源平合戦「屋島の戦い」でしょう。
終点の駐車場に入った所には絵巻物の写真も貼ってありました。

那須与一扇の的見事に射たというアレは中学の古典でも習い
ましたが、戦争(殺し合い)の最中に何故あのようなアトラクション
存在したのか?

20210305i.JPG 20210305j.JPG

昭和35年に開通した「屋島スカイウェイ」と言う観光自動車道を登ると、
終点大きな駐車場になっており、土産物店などがあります(帰る間際
に撮ったから閉まってますが)。

自販機が何故かピカチュウだらけ。コレは一般的に存在する物?

山頂には四国霊場の1つである屋島寺水族館などがありますが、
私の目的はケーブルカー山上側廃駅です。生憎と駐車場からは
寺を挟んだ反対側になるようですが、地図を見ながら歩いてみましょう

→次回に続く



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No.705 鉄道廃線跡を探る