★「おふくろの味」について考える
2023/01/08(Sun)
日々ご好評頂いてる(と勝手に思ってる)「クラ駅長50年史」ですが、
段々と私も成長して分別のつく歳になってきましたので、この辺りで
「母親の手料理」についてスピンオフ的にマトメておく事に致します
クラ駅長です。
…何度か書いてる事ですが、私の母親は料理や食べ物に関して、
箇条書きでマトメると以下のような傾向の強い人でした。
① 合成着色料はダメ。
② 糖分や塩分が多い(と思われる)物はダメ。
③ 白飯でも麺類でも、とにかく柔らかく煮詰める。
④ 自分は外食店舗の料理人より料理が上手い。
私が子供だった昭和末期と言うのは、高度経済成長期もそろそろ
落ち着いて、「環境問題や食品添加物に関しても見直そう」と言う
風潮が現れ出した時代だったのかも知れません。
母は断じて料理が下手ではナイと思うんですが、とにかく薄味で
色彩に乏しい「不味そうな料理」を作るのに長けた人でした。
加えて私が知る限りずっと専業主婦であり、時間の不足を理由に
出来合いの商品を買ってくる事も殆どありません。…「口に美味しい
物は体に悪い」と言うのが口癖だったのを覚えています。
①と②は既に書きました。合成着色料がダメだから、私は七五三
の千歳飴を「何たるかを知らない」うちに取り上げられたし、稀に
カップラーメンを食べるにしても「粉末スープは半分」と言うルール
がありました。
遠足の弁当なども周りの友達と違って、赤いウインナーは禁止。
ふりかけも「のりたま」の黄色がダメだったのか「かつおみりん」
一択であり、どう見ても彩りに欠ける茶色主体の物になります。
お祭りの屋台などで売ってるりんご飴も禁止、かき氷は色のない
「みぞれ」のみ可でした。
確かに間違ってはナイです。塩分や糖分の取りすぎは体に悪いし
合成着色料とて化学的な何かであって、体にいい筈がありません。
そもそも母は高血圧気味であり、自分の健康と私への遺伝的な事
も考慮しての結果だとは思うんですが。
でも「周囲に合わせる」と言う子供なりの社会性も大事でしょ。
私は隣の子の赤いウインナーを、羨ましそうに見てた筈ですよ。
そんな環境に居た者が真っ直ぐに育つワケはなく、私は今でも
赤いウインナーを徳用袋で大人買いして、おやつに齧ってたり
する事があります。ソレで寿命が縮まっても文句は言わんよ。
③は母自身の好みに加えて、年老いた祖母が居たり父も比較的
若い頃(60歳ぐらい)から総入れ歯だった事も関係してると思われ
ますが、とにかく我が家の白飯は柔らかいんです。
薄味の料理に柔らかい白飯と言うのは、どうも食が進まない。
私は実家の食事では、白飯は茶碗1杯が限度でした。
修学旅行などで旅館に泊まって朝食が出た場合、何故か食が
進むから当然に「おかわり」となる。…ソレを何度か経験してる
うちに「我が家とは正反対だから」と言う事に気が付きました。
麺類を矢鱈と柔らかく煮込むのも「その方が消化に良い」と言う、
発想としては病弱な方向性の物です。
そんな環境に居た者が(後略)。
私は「白飯が液体等でユルくなる」事が何となく許せない人間に
なってしまい、お粥・雑炊・茶漬け・卵かけごはんがダメですね
(生卵に醤油を混ぜて単体で飲むのは好き)。
牛丼も「つゆナシ」を指定するし、カレーライスを最初に全部混ぜ
てしまう人とは同席出来ません。
麺類については「クタクタに炊く」と言う形容動詞をよく発してたから、
「疲れてクタクタ」みたいな表現まで嫌いになりました。
④は母に限らず、当時の主婦層全般にあった事かも知れません。
例えば街中のレストランで800円のエビフライ定食があったとして、
「800円もあったら自分ならもっとイイ物を作る」とか、空気の読め
ない事を言うんですよ。
後に私は飲食店の会社に就職するから、その時に詳しく知ったん
ですが、平均的な飲食店の「原価率」と言うのは30%前後です。
…つまり800円のエビフライ定食なら、240円で作らないとイカン。
一般家庭の料理が材料費の割に豪華なのは、水光熱費や人件費、
そして利益を考えてナイからに他ならず、正社員として働いた
経験のナイ母には、その辺りが理解出来てなかったのでしょう。
…当時の自分に上記のような知識があれば、正論で畳みかけて
黙らせてやりたかったですね。
加えて「外で売ってる物は体に悪い」と言う基本理念があるから、
「ハンバーガーが食べたい」と言うとマクドナルド等で買ってくる
のではなく、珍妙な「もどき」を手作りするタイプの人です。
…「そうじゃなくて」と言う感想になるのは当然ですが、子供だから
拒否権もなく苦痛でした。てかマクドナルド自体、今ほど店舗数も
多くなく、滅多に食べれる物ではありませんでしたが。
そして今で言う「意識高い系」を気取ってたのか「私はよう食べん、
我慢してフィレオフィッシュだけ。」みたいな事をよく言ってました。
…お前の嗜好など知らん。
ともあれタイトルに挙げた「おふくろの味」と言うのは、一般的には
「心のこもった美味い物」として扱われる事が多いようですが、
私にソノような綺麗事のノスタルジーは通用しません(…心は
こもってるかも知れませんが、望む方向性と全く違うので)。
逆に滅多に食べれないけど、味と見た目が充実した総菜屋の
弁当などが「御馳走」に感じられる、ひねくれた子供でした。
「何事も程々が良い」と言う事で、締めておく事にしましょう。
ウチの読者で「これから子育て」と言うお母さんがドノ程度居るのか
は不明ですが、あまり規制しすぎると歪んだ人間に育ちますよ。
※→次回に続く
※コメント・感想は→こちらまでお願い致します。
段々と私も成長して分別のつく歳になってきましたので、この辺りで
「母親の手料理」についてスピンオフ的にマトメておく事に致します
クラ駅長です。
…何度か書いてる事ですが、私の母親は料理や食べ物に関して、
箇条書きでマトメると以下のような傾向の強い人でした。
① 合成着色料はダメ。
② 糖分や塩分が多い(と思われる)物はダメ。
③ 白飯でも麺類でも、とにかく柔らかく煮詰める。
④ 自分は外食店舗の料理人より料理が上手い。
私が子供だった昭和末期と言うのは、高度経済成長期もそろそろ
落ち着いて、「環境問題や食品添加物に関しても見直そう」と言う
風潮が現れ出した時代だったのかも知れません。
母は断じて料理が下手ではナイと思うんですが、とにかく薄味で
色彩に乏しい「不味そうな料理」を作るのに長けた人でした。
加えて私が知る限りずっと専業主婦であり、時間の不足を理由に
出来合いの商品を買ってくる事も殆どありません。…「口に美味しい
物は体に悪い」と言うのが口癖だったのを覚えています。
①と②は既に書きました。合成着色料がダメだから、私は七五三
の千歳飴を「何たるかを知らない」うちに取り上げられたし、稀に
カップラーメンを食べるにしても「粉末スープは半分」と言うルール
がありました。
遠足の弁当なども周りの友達と違って、赤いウインナーは禁止。
ふりかけも「のりたま」の黄色がダメだったのか「かつおみりん」
一択であり、どう見ても彩りに欠ける茶色主体の物になります。
お祭りの屋台などで売ってるりんご飴も禁止、かき氷は色のない
「みぞれ」のみ可でした。
確かに間違ってはナイです。塩分や糖分の取りすぎは体に悪いし
合成着色料とて化学的な何かであって、体にいい筈がありません。
そもそも母は高血圧気味であり、自分の健康と私への遺伝的な事
も考慮しての結果だとは思うんですが。
でも「周囲に合わせる」と言う子供なりの社会性も大事でしょ。
私は隣の子の赤いウインナーを、羨ましそうに見てた筈ですよ。
そんな環境に居た者が真っ直ぐに育つワケはなく、私は今でも
赤いウインナーを徳用袋で大人買いして、おやつに齧ってたり
する事があります。ソレで寿命が縮まっても文句は言わんよ。
③は母自身の好みに加えて、年老いた祖母が居たり父も比較的
若い頃(60歳ぐらい)から総入れ歯だった事も関係してると思われ
ますが、とにかく我が家の白飯は柔らかいんです。
薄味の料理に柔らかい白飯と言うのは、どうも食が進まない。
私は実家の食事では、白飯は茶碗1杯が限度でした。
修学旅行などで旅館に泊まって朝食が出た場合、何故か食が
進むから当然に「おかわり」となる。…ソレを何度か経験してる
うちに「我が家とは正反対だから」と言う事に気が付きました。
麺類を矢鱈と柔らかく煮込むのも「その方が消化に良い」と言う、
発想としては病弱な方向性の物です。
そんな環境に居た者が(後略)。
私は「白飯が液体等でユルくなる」事が何となく許せない人間に
なってしまい、お粥・雑炊・茶漬け・卵かけごはんがダメですね
(生卵に醤油を混ぜて単体で飲むのは好き)。
牛丼も「つゆナシ」を指定するし、カレーライスを最初に全部混ぜ
てしまう人とは同席出来ません。
麺類については「クタクタに炊く」と言う形容動詞をよく発してたから、
「疲れてクタクタ」みたいな表現まで嫌いになりました。
④は母に限らず、当時の主婦層全般にあった事かも知れません。
例えば街中のレストランで800円のエビフライ定食があったとして、
「800円もあったら自分ならもっとイイ物を作る」とか、空気の読め
ない事を言うんですよ。
後に私は飲食店の会社に就職するから、その時に詳しく知ったん
ですが、平均的な飲食店の「原価率」と言うのは30%前後です。
…つまり800円のエビフライ定食なら、240円で作らないとイカン。
一般家庭の料理が材料費の割に豪華なのは、水光熱費や人件費、
そして利益を考えてナイからに他ならず、正社員として働いた
経験のナイ母には、その辺りが理解出来てなかったのでしょう。
…当時の自分に上記のような知識があれば、正論で畳みかけて
黙らせてやりたかったですね。
加えて「外で売ってる物は体に悪い」と言う基本理念があるから、
「ハンバーガーが食べたい」と言うとマクドナルド等で買ってくる
のではなく、珍妙な「もどき」を手作りするタイプの人です。
…「そうじゃなくて」と言う感想になるのは当然ですが、子供だから
拒否権もなく苦痛でした。てかマクドナルド自体、今ほど店舗数も
多くなく、滅多に食べれる物ではありませんでしたが。
そして今で言う「意識高い系」を気取ってたのか「私はよう食べん、
我慢してフィレオフィッシュだけ。」みたいな事をよく言ってました。
…お前の嗜好など知らん。
ともあれタイトルに挙げた「おふくろの味」と言うのは、一般的には
「心のこもった美味い物」として扱われる事が多いようですが、
私にソノような綺麗事のノスタルジーは通用しません(…心は
こもってるかも知れませんが、望む方向性と全く違うので)。
逆に滅多に食べれないけど、味と見た目が充実した総菜屋の
弁当などが「御馳走」に感じられる、ひねくれた子供でした。
「何事も程々が良い」と言う事で、締めておく事にしましょう。
ウチの読者で「これから子育て」と言うお母さんがドノ程度居るのか
は不明ですが、あまり規制しすぎると歪んだ人間に育ちますよ。
※→次回に続く
※コメント・感想は→こちらまでお願い致します。
No.1379 ○○について考える