新・駅長日誌Ⅱ

観光列車、駅ノート、鉄道保存施設、
廃線跡と猫ヨシヨシ。…稀に木村。
毎日更新します。

常磐線 震災復旧区間を探る ③

2020/05/28(Thu)

さて常磐線旧線区間ですが、スマートフォン地図アプリ現在の
坂元駅前にあった案内地図とを参考にして、震災前坂元駅があった
地点に来てみましたクラ駅長です。

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GPSでは確かにココの筈なんですが、この付近旧線区間新しい
バイパス道路への転用が決まっており、既に工事が始まってますので
ソレらしい雰囲気全くありませんね。

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アプリの地図上「∴」旧跡の地図記号があるのは、正確には左の
画像ブルドーザーが居る付近だと思われますが、そもそも土地の
高低差から言っても不自然です。

…後で調べてみると、このバイパス道路は再び津波が来ても防波堤
役目が果たせるようにとの事で、元の線路跡よりカナリ高く嵩上げして
造られてるのだそうてす。

完成はまだ少し先になりそうですが、短期間で(とは言っても10年
経ってるか)ココまで雰囲気が変わる例も珍しいかな?

そして、この地点から旧線沿いに少し南下した所に、津波の被害
受けた小学校の建物保存されてると言う事で見に行く事にしました。

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校名を山元町立中浜小学校と言うようですが、今時の感じのお洒落な
校舎が、遠目には無事な様子で残っています。

校舎の前にある松の木は、元々敷地内にあった約20本のクロマツ
うち、津波に耐えて残った1本「奇跡の一本松」として移植した物だ
そうです。…確か三陸の方にも同名の松があったように思いますが。

20200528g.JPG 20200528h.JPG

震災発生後中浜小学校2013年に隣の小学校と合併されましたが
建物は一部を除いて取り壊しを免れ今年の7月から震災の遺構
して公開される事になったそうです。

訪問時はソノ工事中だと言う事で、校舎の外観と外から見える部分
だけが見学出来る状態になってました。

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折角なので車を降りて周囲を見てみます。遠目にはキレイに見えた
校舎ですが、2階の天井付近まで津波が被ったようで、内部は完全に
破壊されており、水位を示すプレートカナリ高い位置にありました。

報道などの資料によると、同小学校震災発生時授業中でした。

津波学校まで到達するまで僅か10分の時間しか無く、指定された
避難場所まで低学年の子供の足では間に合わないと言う事で、校長
先生の指示で児童や職員など約90名屋上に避難

屋根裏への倉庫で一晩過ごした後、自衛隊のヘリコプターによって
全員が救助されたそうです。

…ホントに危機一髪と言うか、全員が助かったのと震災後施設が
保存され、キレイな花で飾られてるのが救いのように感じました。

単なる廃線跡巡りだけでなく、僅かながら勉強になって良かった
思います。公開される施設としてのオープンと、バイパス道路が完成
したら、今度は自分の車でまた来てみようかな?

そんな感じで旧線区間の旅は続きます。

→次回に続く



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No.424 鉄道廃線跡を探る