新・駅長日誌Ⅱ

観光列車、駅ノート、鉄道保存施設、
廃線跡と猫ヨシヨシ。…稀に木村。
毎日更新します。

松代象山地下壕を探る ①

2021/10/02(Sat)

さて長野市の松代町ですが、朝から番外編としての絵を描いたので、
ココからは少しだけ観光して次の目的地へ向かいますクラ駅長です。

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旧松代駅の駅前に童謡「汽車ポッポ」歌碑と説明書きがありました。
作曲者草川信と言う人が御当地の出身なのだそうです。

…ソレはいいとして、この歌の元の歌詞は、我々がよく知ってる物
全く違うと言う話を御存知でしょうか?右側の説明文にもあるように
元は「兵隊さんと汽車」と言うタイトルだったそうな。例えば1番

汽車汽車 ポッポポッポ シュッポシュッポ シュッポッポウ
兵隊さんを乗せて シュッポシュッポ シュッポッポウ
僕等も手に手に日の丸の 旗を振り振り送りませう 萬歳 萬歳 萬歳
兵隊さん兵隊さん 萬々歳

…かなりイメージが違うと言うか、軍国主義丸出しですね。

作詞者富原薫と言う人は神奈川県御殿場の出身で、同地の練兵場
から出征して行く兵隊さんを見てのイメージなんだそうですが、発表
されたのが昭和12年と言う事で、「そんな時代」だったんでしょう。

この歌詞が戦後時代に合わなくなって現在の物変更されたそうな。
…ちなみに石碑縦書きされてる歌詞も私は初めて見たんですが、
コレは3番のようです。

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そして松代江戸時代まで真田氏が治める城下町だったので、復元
された城跡藩校などの建物も残っています。色々と見所は多い
ようですが、私が気になったのは「松代大本営」と言うやつですよ。

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戦争末期東京空襲でヤバいと言う事になって、海から最も遠い
ココに皇居大本営(軍部の中枢)国の機関などを移転させよう
言う事で、周辺の幾つかの山の下地下壕が掘られたんだそうです。

工事開始昭和19年11月だから、カナリ切羽詰まった時期ですね。

この象山地下壕は縦横に巡らせたトンネル総延長で約10kmにも
なるそうですが、このうち約500m見学用として公開されています。

無料で見学出来ます。私も入口ヘルメットを借りて洞内へ入って
行きますが、元から作業服だからコーディネートはバッチリでしょ。
マークは長野市の市章ですな。

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トンネル高さ人が立って歩ける程度で幅は4m、このうち3m
部屋として板壁で区切られ残りが通路だったそうですが、終戦後
全て破壊されたので跡は残っていません

もっと大きな部屋がある感じを想像してましたが違ったようです。

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道路鉄道トンネルを掘るのと技術的には同じ事なんでしょう。
初期の地質調査などには鉄道省も協力しています。削岩機の先端部
刺さったままになってる箇所には照明と説明書きがありました。

そして先述の松代駅貨物側線も、この事業で物資を運ぶため
増設されたそうな。

大本営皇居移転してくるなんて話は当然に極秘事項な筈が、
あまりにも次々と貨物列車が来るもんで周囲の人たちにはバレバレ
だったようです。

そんな感じの松代象山地下壕を見学しながら、更に奥へ進みます。

→次回に続く



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No.916 駅長が見た風景