新・駅長日誌Ⅱ

では日曜日恒例の「考えるシリーズ」ですが、今回はココまで報告
してきた仕事関係の出来事のうち、印象深かったお客に関するネタ
を幾つか書いてみる事にしましたクラ駅長です。

…日々の仕事と言うのは当然に「山あり谷あり」と言うか、楽しい事
や嬉しい事もあるんですが、やはり印象に残りやすく書いて面白い
のは困った人たちでしょう。画一的なチェーン店ではナイ飲食店の
会社に16年も勤務してると、色んな事がありました。


①　外国人の酔っ払い

最初に勤務した店舗は大阪港に近かったので、観光地なのとは別
に外国籍の貨物船なんかも出入りする環境であり、時々その船員
だと思われる外国人が来る事がありました。

ある日もソレらしい２人組が来たんですが、来店前から別の店で
飲んでたらしく、明らかに酔っ払ってるんですよ。

…私は「陽気な白人の大男」なんて物は洋画の中でしか見た事
のない存在だったんですが、実際に対峙すると面倒ですね。

洋画のベタな吹き替えで「よぅ兄弟！」みたいなのがありますが、
「Hey Brother！」とか言われたから、奴らはホントにあのように
口語表現するようです。…肩組んで写真を撮られました。

で会計する段になると、ドルしか持ってないんです。
…一応は国際港だから、両替の施設なども探せばあると思うん
ですが、一時的な上陸だとソレも面倒だったのか？

店長に言ったら「レートとか分からんし…」と言いつつ「足元見て
貰っとけ」と言う事で、１ドル50円ぐらいの超円高価格で計算した
ように思います。

…当時は新入社員だから現場で働くだけで必死の状況で、会計
上の処理方法までは頭が回らなかったんですが、アレは本社で
どのように円換算されたのやら？


②　ヤクザの出所祝い

…入社して３年目の京都市内のホテルでの事、昼間から宴会の
予約が入ってたんですよ。

予約表には「〇〇君激励会」とあり、申込者の欄は「××塾」と
なっています。私は何となく「空手の道場か何かで、大会に出場
する選手の壮行会みたいな物かな？」と思ったんですが…。

コレがヤクザと言うか右寄りな政治結社の人たちで、刑務所から
出てきた若い衆の「放免祝い」だったんです。…今でこそこの手の
行事も規制が厳しいようですが、当時は派手だったんですね。

昼頃になると明らかにソレ関係と分かる厳ついオッサンらが集まり
はじめ、ホテル全体が異様な雰囲気になりました。

…まぁヤクザと言ってもお客さんだし「晴れの場」だから最初から
喧嘩腰な態度でもナイので、普段通りに進めればイイんですけど。

主役は当時の私と変わらない、20台後半の若者に見えました。

上司と言うか親分格の挨拶を聞いてると「〇〇君は腐敗した日本
経済に敢然と立ち向かい…」みたいな事を言ってるので、企業恐喝
か何かやったのでしょう。

盛大な放免祝いを開いて貰えると言う事は、私的なシノギではなく
組織絡みの仕事だったんでしょうか？

宴会の途中で四斗樽の鏡割りをやったんですが、組長？が「縁起
物だから全部持って帰る」と言い出し、ホテル中にある空いたペット
ボトルなどを探し回る羽目になりました。

…その場で幾らかは消費したものの、50リットル以上あったんじゃ
ナイのかな。流石に飲み物用ではなく醤油や味醂などの調味料の
容器なのですが、洗っても匂いは残ってるだろうに。

…彼が私と同世代だとすれば今で50歳前後か。ヤクザも高齢化
してるから、まだ若手の部類でしょう。元気にやってるのかしら？


③　岸和田の結婚式

色々と転勤して何年か後に最初の店舗に戻った時の事、ココには
遊覧船の船内売店の仕事がありました。

この船には列車のグリーン車に相当する特別室があり、たまに
ココを貸切にして結婚披露宴などのイベントが出来ると言う使い方
があったんです。

…私らは売店とは別にソノ場合の料理や飲み物を用意して、接客
するのも仕事の１つなのですが。

ある時、タイトルにある通り岸和田の新婚カップルがココを使う事
になったんですが、関西の方は御存知のようにココは市民の大半
を「祭好きのヤンキー」が占める地域です。

飲み物はフリードリンクですが大抵は概ね高めに設定してある
ので、こちらが損をするケースは少ないと思われます。…しかし
久し振りに負けたんじゃナイかな？まぁソレは構いません。

…で余興の終盤辺りで司会者が「皆さんも御存知のように新郎
の〇〇君は、いつでも自分が一番目立ちたい男です。今日は
彼が主役なので…」と紹介。

だんじり祭りの法被に着替えた新郎が、カラオケで３曲連続
ソロで熱唱すると言う、他所では見た事のナイ結婚披露宴に
なり、岸和田の民度の低さが再認識出来てしまいました。

…そしてまぁ客も全員ガラが悪いと言うか、矢鱈とバカみたいな
飲み方をすると言うか。詳しい時期は忘れましたが、飲酒運転
が厳罰化される前だったんでしょうか？

航行時間が決まってるから無駄な延長はせずに済んだんですが、
あまりの酒臭さに当日以後と翌日は特別料金を課しての営業が
不可能になり、換気代わりに扉を開け放して「無料開放中！」と
言う事になりました。

…コレは私らではなく遊覧船の運営会社の被害？なのでしょうが、
補償とか請求出来たんでしょうか？


なるべく色んな話を選んだ積もりなのですが「飲食店の困った客」
と言うのは、どうしても酒が絡むケースになってしまいますね。
また何か思い出したら書く事にしましょう。

※→次回に続く

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