新・駅長日誌Ⅱ

…紀伊神谷の駅ノートを描き終えて、橋本まで戻って来たんですが、
ココで難波行きの急行に乗り換える筈が、何となくＪＲで帰りたくなって
和歌山線に乗り換える事にしましたクラ駅長です。



和歌山線と桜井線の105系は、去る9月30日を以って完全に227系に
置き換えられたようです。…ＪＲと南海を繋ぐ跨線橋に、105系の引退
を告知するポスターと、大きな惜別の寄せ書きがありました。

…最初に分かってたら何か書いたんですけどね。時間が無かったので
断念しました。ポスターにあるように35年間も使い倒してたんですな。
元に居た常磐線の10年間より遥かに長いのが笑えますが。

さてＳＬやまぐち号ですが、続けて車内の様子をマトメて紹介してしまい
ましょう。…幾ら何でも新山口駅に停まってる間に、コレだけ全部の写真
を撮れるワケありませんから、走行中の物も含まれています。



車内の照明は白熱電球（又はソレっぽい色の何か）です。
現代では実用的とは言い難いですが、基本的に夜間は走らないだろう
から、暗いのはトンネル通過時ぐらいに限られますわな。

車内に貼られた鉄道地図は、よく見たら昭和９年の文字がありました。
流石にコレも復刻版でしょうが、鉄道路線そのものは今より充実してる
感じがします。…戦前の黄金期だわな。

と、ココまでが概ね「古い物を上手く再現したなー」編。
ココからは、随所に巧妙に隠された現代の装備をマトメてみました。



客車を製造したのは、第三セクター会社の気動車などを多く手掛ける
新潟トランシスです。外観は昔懐かしい旧型客車ですが、ソノ実体は
現代の安全で快適な装備を盛り込んだ新型車なんですよ。

他人事だから正確には分かりませんが、この車両を設計＆施工した
エンジニアさんは、大変な反面めっちゃ楽しかったんではナイかなと
思います。瑞風と四季島を押さえてブルーリボン賞だし。

…銀河鉄道999も実現したら車両は新潟トランシスが作りそうだな。



下回りは黒く塗られているので分かりにくいですが、台車は今時の
ボルスタレスタイプだし、動力を持たない客車なのでスハとスハテの
床下にはサービス電源用のディーゼル発電機があります。

昔の物に比べれば静かになりましたが、やはり音と振動は感じます。
…ソノ甲斐あって、全てのボックス席に電源コンセントが付きました。



トイレや洗面所も、内装は細かいタイルで昔の雰囲気を出してあり
ますが、装備は現代的な物ですね。

余談ですが現代でもよく見る和式便器は元は鉄道車両から始まった
物だそうで、発案者は例の島秀雄氏なんですよ。

各車両の端っこには荷物スペースがありますが、ココも窓を埋めず
ヨロイ式の日除けが閉まった状態にしてあります。外からの見た目が
統一されていい感じになりますな。

…コレがＳＬやまぐち号の１編成だけってのは勿体無いでしょ。
繰り返しになりますが、折角だから量産して他の観光ＳＬにも使うか、
単品でディーゼル牽引でも充分に楽しめる車両だと思いますよ。

※→次回に続く

---

※コメント・感想は→こちらまでお願い致します。