新・駅長日誌Ⅱ

観光列車、駅ノート、鉄道保存施設、
廃線跡と猫ヨシヨシ。…稀に木村。
毎日更新します。

信濃境の旧線区間を探る ②

2021/12/21(Tue)

さて信濃境周辺の廃線跡ですが、前回の立場川橋梁から少し戻った
信濃境側の分岐点を見に来ましたクラ駅長です。

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ココは航空写真で見ても、明らかに分岐点の跡が残ってますね。

線路の跡地切り売りされたようで、小規模なアパートらしき建物
が建っていましたが、調べたらコレは排水処理施設のようです。
…その先は田んぼになった(戻った?)と言う事なんでしょうか?

昭和55年と言う時代に「新たな水田を開拓する」と言うのは意外です。
宅地か何かになりそうな所ですが。

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そして現在の区間はコノ少し手前から堀割の構造になっており、地表
より少し低い位置でトンネルに入り、小高い丘の下を越えています。

複線化するだけで大幅にルートを変える必要はナイと思われますが
元のルートは明らかに線形が悪く「なるべく直線にしろ」と言う意向
があったのかも知れません。

Googleマップ立体表示にしてみると結構なアップダウンがある
ので、線路を平坦にして減速を防ぐ意図もあるのかな。

丘の上は現在は町営の運動公園になっており、ココから立場川の
新橋梁を渡る列車が狙える。撮り鉄スポットでもあるようです。

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続いては信濃境駅から小淵沢方向へ行った地点の廃線跡です。
駅から東へ数百m程度の所にも線形を改良した箇所があります。
新線に切り替えるとS字カーブ解消される事になりますね。

この付近は昭和58年複線化され、同時に現在の線路切り替え
られたようです。

E353系が走る現在の線路から南東へ反れて、私の車がある位置
旧線区間入口なんですが、段々と陽が傾いてきましたね。
暗くなると面倒なので手早く終わらせましょう。

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こちらはに「私有地」と言う看板が建っています。…特に柵もナイ
ので進んで行くと、200mほど行った所でトンネルが出てきました。

今回のネタにした2箇所廃線区間に関して、実はこっちを先に
見付けてたんですよ。以前はココに線路が残っており、廃車に
なった電車保存されていました。ネタ的に目立ちますからね。

富士急の3100系と言う車両で、どうやらココに車両を置いて何か
の店舗にしようとした人が居るらしいんです。

それが頓挫したのか何なのか、殆ど分からないまま2016年頃
車両は撤去されたようで、結局は間に合いませんでした。

…興味のある方は「信濃境/保存車」か何とかで調べて頂ければ
出て来ると思います。

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どう言う順番なのか不明ですが「47」と言う数字が振ってあります。
途中でカーブしてるので先が見えませんが、100m程度トンネル
でしょう。歴史のありそうな煉瓦積みのトンネルでした。

明らかに単線幅トンネルであり、蒸気機関車時代の物だとすれば
内径も小さいだろうから、複線化の際に「線形も改良しちゃえ」と言う
感じだったのかも知れませんね。

…当時の国鉄赤字でしたが、鉄建公団に使うカネは惜しみなく
出してたようなフシがありますし。

取り敢えずトンネルを抜けて小淵沢側まで行ってみましたが、段々
寒くなってきた保存車ナイ状況でコレ以上行ってもな。と言う
事で引き返しました

そんな感じで初日はココまでです。今回は宿泊地としてペンション
予約してありますので、再び県境を越えて山梨県北杜市に向かいます。

→次回に続く



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No.996 鉄道廃線跡を探る

信濃境の旧線区間を探る ①

2021/12/20(Mon)

…そんな感じで中央本線信濃境駅ノートを描いたワケですが、
合間に特急「あずさ」撮り鉄にも挑戦しておりましたクラ駅長です。

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特急「あずさ」もすっかりE353系
統一された感じでしょうか?

余談ですがドラマ「青い鳥」の序盤、
深夜に酔っ払った夏川結衣が線路
を歩こうとして「スーパーあずさ」
撥ねられそうになり、トヨエツに抱き
留められるシーンがあります。

脚本上の大きな転機なのですが。

甲府行き最終普通が出た数分後下りの最終あずさが通過する」
と言う設定は、当時の同駅の実際のダイヤと同じなのですよ。
このように同作細かい所で無駄にリアルに作られてるのが特徴です。

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ともあれ信濃境駅の前後には、線形
の改良工事によって生じた短かい
廃線区間が幾つかあるらしいので、
それも併せて探る事にしましょう。

まず富士見方向です。
立場川と言う小さな川の左右が深く
切れ込んだ谷間になっており、線路
はココを高い橋梁で越えています。

…どう言うワケか最初不自然北側へカーブした線形だったのを、
昭和55年に同区間が複線化した時に現在の線路に切り替えられ、
新旧2つの橋梁が存在する事になりました。

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信濃境駅から富士見方向へ約4km走ると、現在のコンクリート製の
橋梁が見えてきます。その下を通っての方向へ進めば見えるのが
鉄骨造りの旧橋梁ですね。明治37年に造られたそうな。

Wikipediaによると廃線後に前後のトンネル2本と合わせて自治体
(富士見町)無償譲渡され、同町では文化財としての保存を検討
しているそうです。

廃線区間全て見るのは時間的に厳しいので、道路から接近可能
な所だけにしておきましょう。

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公道から線路跡の築堤まで、元は保線用だったと思われるスロープ
が続いています。…4WD車だから登れない事はナイんですが、今回
は取り敢えずココから歩く事にしますよ。

登った所にイノシシ捕獲用の檻がありました。エサとして入ってる
は熟しきった柿のようです。…こんなので引っ掛かるのか。

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富士見方向にトンネルの入り口が見えますね。特に閉鎖されてる
ワケでも無さそうで、ネット上には実際に内部を歩いた報告が散見
されますが今回は入りません

切り替えが昭和55年だから約40年と言う感じか。架線柱枕木
随所に残っています。流石に鉄橋から先があって、渡れない
ようになってますね。

地元では「ハイキングコースとして整備して欲しい」と言う要望が
あるらしく、もしかしたら福知山線のようになるかも知れません。

…そして柵の付近に、明らかに撮り鉄さんらしい若者が居ました。

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鉄橋柵の隙間から覗くと左の感じ。結構な高さなのでハイキング
コースにするなら落下防止の安全対策は必要でしょうね。

ココから見た新橋梁の風景の感じです。
…彼らが狙ってるのはE353系か、後で見かけたタキだらけの貨物
列車だったのかも知れませんが私は時間がナイので211系で妥協。

続けて航空写真明らかな痕跡が見て取れる、信濃境側の分岐点
を見に行く事にします。

→次回に続く



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No.995 鉄道廃線跡を探る

「ガッタンゴー」を探る

2021/09/01(Wed)

そんな感じで高山本線駅ノートを回る前に、奥飛騨温泉口駅
寄り道する事になりましたクラ駅長です。

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同駅はまず国鉄神岡線終点神岡駅として昭和41年に開業。
国鉄末期昭和59年第三セクター会社神岡鉄道に移管し、その
時に現在の駅名改名されたものの、平成18年廃止された駅です。

神岡鉄道時代は私が鉄道趣味から遠ざかってた時期と重なるので
訪問出来ないままに終わった路線なのですが、廃止後一部の線路
を使って軌道自転車に乗れると言う話を聞いてたんですよ。

てかココのグッズに関しても吉田商店が絡んでおり、社長(木村)
よっしーと共に非公式訪れている筈です。

いきなり行って自転車に乗れるとも思いませんし、今回はそんな時間
もナイんですが、取り敢えず探ってみましょう。…雪が深くなる冬場
別として、意外な事に平日でも乗れるようですね。

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まず駅前広場からですが、軽便鉄道風の車両保存されてました。
左は神岡鉱山で使用されたL型の車体を持つ電気機関車です。

右が富山県立山砂防工事軌道と言う所のディーゼル機関車
軌間が同じ610mmと言う縁でココに来た物と思われます。

その軽便軌道の外側に1067mmの線路もあり、以前はココにDE10型
神岡鉄道版であるKMDE101と言う機関車があったそうな。

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駅舎現役当時のままに残されており、軌道自転車「ガッタンゴー」
受付などがある他、神岡鉄道時代の鉄道用品を展示した部屋も
ありました。

発車時刻表も残されていますが「ただのかざりです」と言うのが
面白いですね。てかコレが正確な物だとすれば最終列車19時台
と言う事になりますから、カナリ早く終わってたんですな。

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構内に入ると、丁度「ガッタンゴー」出発する所でした。
恐らくは全線1閉塞の区間を往復する感じであり、発車時刻と走れる
台数の上限が決まってるのだと思われます。

平日だけど夏休み期間中子供連れさんが多く、意外と混んでます
最後尾にあるバイク付きのやつはスタッフ用かな?

色々と見てるうちに出発し、自転車を漕ぐ人たちとも離されてしまい
ましたが、廃線跡に沿った道路を追いかけてみましょう。

…やはりバイクに乗ったスタッフさんが確認のために最後尾を走る
ようです。てか自転車よりこっちを運転してみたい気もしますが。

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調べてみると、先程の奥飛騨温泉口駅から約3km先神岡鉱山前駅
まで走る「まちなかコース」と言うものと、もう少し先の山間いを走る
「渓谷コース」と言うのがあるようです。

「まちなかコース」の折り返し点になる神岡鉱山前駅に来てみると、
さっき出発した参加者さん順に到着する所でした。

なかなか楽しそう「ガッタンゴー」ですが、自転車は何れも2人乗り
の物ばかりで、1人での参加は出来ないようです。…この辺が難点
かも知れませんが、機会があれば参加してみたいもんですね。

と言う事で些か時間を食いましたが駅ノートを描きに、まずは猪谷駅
へ向かいます。

途中で見たトラス橋は現役時代から撮り鉄スポットだった第2高原川
鉄橋ですね。こんな色に塗ってしまうとプラレール感満載なんですが、
渓谷コースではココも走れるようです。

そのまま高原川に沿って、いかにも山間いな風景の中を走りますよ。

→次回に続く



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No.885 鉄道廃線跡を探る